東アジア討論室 126250


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縄文語・エミシ語・アイヌ語を語る

1:フレイルそんべ(当世代理):

2022/05/12 (Thu) 06:08:11

アイヌ語・連想(1) 投稿者:フレイルそんべ 投稿日:2022年 4月14日(木)13時48分46秒
 「てふてふが一匹韃靼海峡を渡って行った」、安済冬衛詩集
『春』から。最初「韃靼海峡を渡って来た」だったのを後に
改作したと読んだことがある。蝶は実際春には海峡(間宮海峡)
を渡って樺太にくるらしいが、間宮海峡ではなく韃靼海峡にする
ためには「行か」なければならない。てふ・てふと、踊るように・
跳ねるように、茫洋たる水の果てに消える一匹の蝶。
 実は、詩人は帰国のかなわぬ病気で大陸側で入院していたの
だった。蝶は彼の身代わりで樺太に渡ったのでもあったろうか。
(誰しも間宮から韃靼へ飛ぶ蝶を想像するでしょうね。それが
一番味のある読み方かも)
 アイヌ語にタッタルがある。踊るの意。
15:フレイルそんべ(当世代理):

2022/05/12 (Thu) 08:27:28

秋田県鳥海山の麓の猿倉はいまでは人気の温泉観光地のようです。青森県八甲田山にも同じ名称の温泉場があって、昔おふくろの話にでてきたのを覚えております。
 猿倉のサルはアイヌ語で茅でサルクラは茅の生い茂った土地とされてきました。昭和20年代のある研究者は温泉の煙の立ち込める場所を指したのではないかと書きのしています。

 ところが、今日気づいたら、昭和14年刊行の本では、サルクラはサルンクルで、サルは茅、クルはヒトとされています。茅の生い茂った山間地の人種というわけです。著者の理解では、縄文時代は山で狩猟で生活するもの、海や川で魚を採るものはお互いにいれかわる
ことができない、いわば異なる人種だったとされます。
 クルはカムイより古い神を表す語だったという意見が多く、定説かのようになっています。アイヌの英雄物語ではクルが主人公で敵の大将(オホーツク人でしょう)と激しく切り合いをします。
しかし「うちの庭のクルちゃんは・・・」と犬のことを云った例もあり、クルは厳かな神とは違うヒトや犬コロを表す語であったことを認識しておきたいとおもいます。

 どなただったか、カムイ・イワック・イ (神が居住する所)を
岩木山の語源にみたてていました。イワックには尊敬の意が込め
られてあるようです。
14:フレイルそんべ(当世代理):

2022/05/12 (Thu) 08:24:08

湾を表すアイヌ語に us, usor, tomari, atuy がある。tomariは泊で日本語だと思っているひとも多いかもしれない。usor は下北半島大湊湾のなかの小さな地名から下北中央部総称の恐山(おそれざん)になっている。

 us には重要な自動詞、他動詞、動詞接尾辞があるが、北海道でも海・湾の意をもたない地域もあるようで、たとえば田村すず子『アイヌ語沙流方言辞典』には項目がない。ところが今読んでいる大正14年刊行の大変面白い著作(菱沼右一『アイヌ語よりみた日本
地名新研究』)では碓氷峠のウスヒのウスを海・湾と解釈し、峠の西方を巨大な海湾地域としていた。
 同著は us と一緒に atuy アトイ・アドイ・アトゥイを語源として吾妻、牛久、渥美、宇治など全国に多数の地名を発掘(?)した。
13:フレイルそんべ(当世代理):

2022/05/12 (Thu) 08:22:23

P君さん ご示唆ありがとうございました。
 標高1000メートルの軽井沢は1年に100日霧に覆われ平均湿度80%とあります。
 峠の西が海湾状の低地というわけではなく、関東高崎あたりから峠の急坂を駆け上がる上昇気流が峠に霧をもたらすのだそうです。
 碓氷の別名・古称ウスヒ(薄日)の意味は変わりません。
12:フレイルそんべ(当世代理):

2022/05/12 (Thu) 08:20:18

ずっと以前、出張先のホテルで何とも気持ちの悪い映画をみたのだった。タイトルは「フロム ダスク ティル ドーン」とあって、見終わって、FROM DUSK TILL DAWN と分かった。夜間限定開店のキャバレーはすごい美人がいるが深夜になると、本性を現して化け物どもが人間を食うのだった。
 化け物どもは朝の太陽の光が差し込むと同時に姿を消す。
 日本語でいえば dawn は曙であろうか。dusk は宵闇でどうだろうか。「宵闇から赤時(暁)まで」。

 こんなことを書いてみるのは、英語でも日本古語でも同じく昼と夜を別けることばが境界線であって、幅をもたないことを言いたかったため。

 古代、朝は赤い光線が差し込む一瞬の時間を云ったものと思われる。赤時とも書かれた。浅い・薄い・遅いは同源語であって「小さい」ものをいう。朝もそのなかに含まれる。

追記)長野県に中野があり、ナ(水)カ(上)ヌッ(野)かと思うけれども、碓氷峠から見下ろした軽井沢のあたりが巨大な海湾を
なしていたというのはどうであろうか。どなたかご教示いただければありがたい。
11:フレイルそんべ(当世代理):

2022/05/12 (Thu) 08:18:04

昨日読み始めた本に、アイヌ語のウシ、スウ、オシが海の尻の意で湾をあらわすとあった。
 碓氷峠の碓氷は峠の西の軽井沢を海湾として見下ろしていたことになる。
 だがウシ(ウス)は果たして湾であろうか。そうとは思えない。
薄シの薄・ウスであるはずだ。
 「日の暮に宇須比(ウスヒ)の山を越ゆる日は夫(せ)なのが袖もさやに振らしつ」(万葉14・3402 東歌・上野 8世紀)
 太陽の沈んだ碓氷峠を越えていく夫の着物を心配しているのであろうから、宇須比は海湾ではなく、着衣の量に関わっているのではないか。
 碓氷峠は薄日峠である。西側低地からの水蒸気で曇天が多いらしい。
私はこれまでウスヒを朝日と理解してきた。朝日の良く当たる峠を考えていた。実際は反対であった。(もっとも本来の意味をよくみれば、朝は浅いであり薄いであり、同語の関係にある)
10:フレイルそんべ(当世代理):

2022/05/12 (Thu) 08:16:06

昭和14年刊行、57年復刻のアイヌ語地名研究書をよんでいて驚くことがあった。ウス、ウシ、ウサということばは漢字で書くと宇須、臼、碓氷、有珠、宇佐美、牛久などいろいろあるものの、海湾を表すのだという。碓氷峠も数千年前は湾であったとされる。
 大出あや子『神々の言語学』か『続 神々の言語学』か『日本語音声考』かにはアイヌ語「茂る」の意のウス(漢字化では牛と書かれる)から、人の集まる港、港の首領であるウシ・大人の派生を想定していたと思うが、縄文海進期に碓氷峠が湾であったというのはどうであろうか。
(読みかけの書は菱沼右一『アイヌ語よりみた日本地名新研究』)
9:フレイルそんべ(当世代理):

2022/05/12 (Thu) 08:14:04

大野晋氏にタタラ姫のたたらを動詞「立つ」の活用「立たら」とする論文があります。短い2頁くらいのものですが考古学、古代史の愛好家はよまないようです。
 大野氏にはシナイという方言のことでぎろんしたことがあり、何を言っても蛙に何とかで尊敬できない印象をもっています。が、かれの60歳までの国語学の業績はすばらしいものと思っています。
 最近では佐々木隆『万葉集の歌とことば』(2021年 青土社)に大野説を補強するものがあったように記憶しますが、確信ではありません。

 神話を語った時代、神話は宇宙や自然界を考える哲学であり、一方では男女の因縁を語る楽しみであったでしょう。たんなる植物名から由来する名前ではないと思います。登場者の名前はストーリーの一部をなしているとみるべきではないでしょうか。
 『時代別国語大辞典 上代編』は私も重宝にしています。 図書館では小学館『日本国語大辞典・第二版(15巻本)』を利用します。<ウソ・コケ>の語を思いだし、嘘はコイだりツイたりするとはどういうことだろう、と今日はコピーをとって喫茶店で読んできました。「皮・革」の項では「化けの皮」「うその皮」「欲の皮」がありました。
8:フレイルそんべ(当世代理):

2022/05/12 (Thu) 06:19:54

神話といえば、社会集団の拡張、権力機構の拡大とともに変質することを、5段階だったか6段階だったかに別けて工藤隆氏がかって論じたものでした。アマテラスやスサノヲの登場する記紀はその最後の段階におかれます。
 時代が新しくなれば神話と言われても神話世界から遠ざかっていく。神話から離れると言っても歴史的現実が記述されるということではもちろんありません。権力者の意図が史書に込められてあるはずで、中国文献に現れる誰々は日本史書の誰々だという理解は、ジンギスカンの前身を日本人に見なす話とあまり変わらないようにおもいます。
 一般論をいいました。具体的で詳細な議論は私の能力を超えます。
7:フレイルそんべ(当世代理):

2022/05/12 (Thu) 06:18:31

私は八木先生のお仕事の周辺の細かなこと、即ちホロナイ(仮に大沢)とホロペッ(仮に大川)の数をかぞえること、またソナイ(仮に滝沢)とソーペッ(仮に滝川)の数を数えることをやってきたことになります。
 八木先生が論文の中で盛岡の赤袰・アカホロはホロナイであろうかホロペッであろうか、と疑問を付した地名があります。
赤に漢字化された地名はアカ、アッカ・水で、私は赤袰はホロナイ・ホロペッと同義の地名語と気づきました。
6:フレイルそんべ(当世代理):

2022/05/12 (Thu) 06:16:30

25年前当会に入会する前私は現代詩や神話世界に遊んでおりました。会の同人誌に三輪山の大国主の世界を書いたこともあります。
 神話の登場者は人間ではありませんし歴史上の存在者とはみなしません。神話は神話の論理を解きほどきながら読むものと理解しています。
5:フレイルそんべ(当世代理):

2022/05/12 (Thu) 06:15:15

一昨日秩父の会で発表した
原稿を今日お宅宛てに送らせてもらいました。何かの折に八木先生にお渡しいただければ大変ありがたく思います。
 先生はある論文で2.5万分の1地図に記載のあるナイとペッの数を定め統計解析手法で素晴らしい結果を導きだされておられました。また、頻度の高い4語について分布の状態から出現年代の考察を試みておられました。そのうちの2語について、私は実際に探して数えてみました。
 ホロナイ(大沢)4カ所、ホロペッ(大川)2カ所(数え方によって3カ所)です。
 また、滝のある沢、滝のある川が多くあるはずなのに該当するアイヌ語の沢名、河川名が少ないのに気づきました。漢字化が旧称をすべて駆逐したはずはありません。それなのに東北に2カ所しか探せませんでした。理由は見つけなければなりませんが、どうなるでしょうかね。

 ソンベよりずっと以前、20歳代前半ペンネームに惣辺平 渉(ソンベタイ ワタル)を名のっておりました。ソーヘンヘイさんとよばれることがあって落ち着かない名前でした。
4:フレイルそんべ(当世代理):

2022/05/12 (Thu) 06:13:01

アイヌ語にタッタル(踊る・舞う)があると思って全く疑って
いなかった。それで韃靼海峡、ムガールに従属することになった
蒙古族の勇壮な踊りを舞う部族、中国人が韃靼と呼んで倭国列島
に伝えた部族、韓半島にあったタタラ地名、を並べて喜んでいた
のだった。t と r の音でできた地名、種族名がぐるりと並ぶで
はないか。
 最後に念のためにと辞書にあたってみたら、タッタルはなく、
5冊のうち3冊にあるのはタプカラ tap-kar だった。情けなや。
タッタルとタプカルでは話にならない。お里が知れる。
 ということで、アイヌ語連想は妄想となって終了です。
3:フレイルそんべ(当世代理):

2022/05/12 (Thu) 06:11:41

たたら・蹈鞴」の項をめくってみると、ある辞書に、<大きな
ふいごう。足で踏みつつ空気を送る装置で鋳物を造るときに用いる。
韓の地「たたら」から伝来したのでいうか>という記述がある(丸山
林平『上代語辞典 明治書院 623頁)。
 また、地名「多多羅」は<今の慶尚南道の昌原に近い洛東港沿岸
の地であろう>とされている。継体紀、神功紀の記載。 蹈鞴の津、
多多羅の原(村)もあるという。
 たたらの語が韓国の地名に由来しているのなら、列島の産業用語
たたら由来とされるホトタタライスケヨリ姫のタタラは別な起源を
もつ可能性が増すのではないだろうか。
 私は韓国の知識に弱くさらなる主張はない。しかし国語学からは
大野晋氏などから動詞「立つ」の活用説があった。
2:フレイルそんべ(当世代理):

2022/05/12 (Thu) 06:10:28

 音楽にまったく素養を欠き恥ずかしながらオペラ「イーゴリ公」
の話も書けない。「韃靼人の踊り」を映画で観たことがあるだけ。
韃靼人の名称は中国から伝えられたと言われる。中央アジア、東
ヨーロッパではタタールとそれに類縁の民族名が普通なのだろう。
 タタール諸民族がみな韃靼人の踊りのような勇壮な踊りをもって
おれば面白いのだがそんなことはあるまい。
 ダッタン、タタール、アイヌ語タッタルを並べてみても何も
出てこない。


 

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